映画版『変な家』を観て分かった 原作ファンが戸惑う改変とホラー要素の違和感について徹底レビュー

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映画版『変な家』を観て分かった 原作ファンが戸惑う改変とホラー要素の違和感について徹底レビュー

大ヒットYouTube動画を原点とし、人気小説へと展開された話題作『変な家』。その映画版がついに公開されました。初日の劇場はほぼ満席で、Jホラーとして久々のヒット作になる可能性もある一方で、原作ファンからは「改変が多すぎる」「雰囲気が違いすぎる」との声も多く上がっています。

この記事では、映画『変な家』の見どころや問題点、原作との相違点などを詳しくレビューしていきます。


原作『変な家』とはどんな作品か

『変な家』はもともとWebメディアに投稿された記事が原点です。その記事を基に人気YouTuber・雨穴さんが投稿した考察動画がバズり、さらにその内容を小説化したのが今回の映画の原作となっています。

小説版では動画で取り上げられた「変な間取りの家」に加え、新たに2件の物件が加えられ、ミステリー要素がさらに強化されています。読みやすく、普段小説を読まない人でもスムーズに楽しめる内容で、幅広い層に人気があります。


映画版の基本情報と期待度

映画『変な家』は石川淳一監督による作品で、主演は間宮祥太朗さん、ヒロインに川栄李奈さん、そして佐藤二朗さんらが脇を固めています。公開初日から好調なスタートを切っており、20億円規模のヒットも狙えると注目されています。

しかしながら、その中身は原作を知っている人にとって少々驚くほど、方向性が異なるものになっていました。


原作からの大きな改変とホラー要素の強調

原作では「間取りの不自然さ」から秘密を探っていく知的なミステリーがメインでしたが、映画ではその要素が大きく削られ、代わりにホラー演出が前面に出されています。

登場人物が実際に家を訪れて幽霊や怪異に遭遇するような典型的なJホラー風の展開が多く盛り込まれており、「不法侵入」「突然豹変するキャラクター」「怖がらせるための演出」など、やや不自然な脚色が目立ちます。

その結果、原作の知的な怖さやじわじわくる不気味さは薄れ、代わりに派手な恐怖演出が増えたことで、作品全体のバランスが崩れてしまっている印象です。


後半は原作とかけ離れたB級ホラーテイストに

特に物語後半は、もはや原作とは別作品と言ってもいいほど大きく逸脱しています。3軒目の家に乗り込む展開では、ほとんど推理描写がなく、いきなり現場に突入してそのままトラブルに巻き込まれるという雑な展開。

さらに物語の根幹となる「片家」に関するエピソードが、村全体が呪われた飲酒集落であるかのようなスケールに変化し、終盤にはチェーンソーを振り回す老婆まで登場するという、完全にホラー娯楽映画化された構成です。

原作の緻密な構成を期待している人にとっては、かなり衝撃的な展開といえるでしょう。


役者の演技や注目ポイント

俳優陣の演技は全体的に堅実で、特に佐藤二朗さん演じる栗原のキャラクターは印象に残ります。彼の奇抜な発想や雰囲気は原作とはまた違った魅力を加えていました。

ただし、登場人物がやや突飛すぎたり、変人すぎるように描かれている箇所もあり、リアリティとのバランスに違和感を覚える部分もあります。


原作未読なら楽しめる?評価とおすすめ度

映画『変な家』は、原作を知らずに観ればそれなりに楽しめるB級ホラー作品です。映像の迫力やホラー演出のタイミングは決して悪くないため、純粋なホラー映画として観るのであれば及第点かもしれません。

しかし、原作のファンや、元の動画でじっくりとした考察を楽しんでいた人にとっては、改変や演出が受け入れがたいと感じる可能性があります。


まとめ

映画『変な家』は、原作の魅力を活かしきれなかった点が惜しまれる作品です。ミステリーの知的な面白さをホラー要素に置き換えた結果、やや強引で雑な印象が目立ちました。

それでも、原作未読の方やライトなホラー好きには楽しめる要素もあるため、気になる方はぜひ一度劇場でチェックしてみてはいかがでしょうか。

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